2014.9.7
NTTドコモのVoLTE対応スマートフォンを借りましたので、チェックしてみました。
そのついでに、PHSや050PlusそしてISDNの電話機も検証しました。
VoLTEは音が良いらしいです。と言う訳で、まずは周波数特性を測定してみる事にしました。
簡易測定と言う訳で、こんな風にスピーカーからホワイトノイズを出し、それをマイクで拾って送りました。
結果はこんな感じで、スピーカーの特性も含まれていますが、7kHz付近までは通るみたいです。
スマートフォンを入れ替えてみました。若干ですが傾向が変わりました。でも、やはり7kHzが限界のようです。
本当はもっと電気的に接続して測定したかったのですが、スマートフォンの4極イヤホンマイクに対応したインターフェースを
製作する元気が無くて、こんな音響結合になってしまいました。
しかし、音が良いとか悪いと言うのは、人の主観によりかなり違いますので、それを視覚的に判断させようと、SSTV信号を
用いて絵を送って、その絵がどれだけ乱れるかで勝負する事にしました。
ここをクリックすると実際にテストに使用した信号を聴く事ができます。(大音量注意)
テストに使った画像はこのネズミのカレンダーの表紙です。
スマートフォンのSSTVのアプリを使いました。
回線を通さず、音をスピーカーから出して、マイクで拾った場合はこんな感じになりました。
では、VoLTEを通してSSTVの信号を送ってみます。
受信側はスピーカーで音を出して、アプリで解析して絵を表示します。
これがVoLTEで送信した場合です。音が良いと言うのはウソかも知れません。
次はPHSで実験です。
最近、音質の劣化が気になるPHSですが、まだまだ健在でした。かなり忠実に伝送されています。フィルター効果もあって、生よりもキレイです。
では、FOMAだとどうなるのでしょうか?その答えはこんな風で全く絵になりませんでした。
ならば、VoLTEからPHSに送ったらどうなるのか実験してみました。
同様に機種を変えて実験してみましたが、コマずれも発生して、イマイチな結果に終わりました。
そんな訳で、耳では良くわからない音質の差ですが、このようにビジュアルにすると誰が見ても違いが判断可能です。
ちょっと残念だったのは、FOMAの音質ですね。みなし音声の伝送には無理があるようです。
驚いたのはPHSですね。昔から、みなし音声でモデム通信が可能でしたから、SSTVも問題なく可能のようです。
VoLTEは音が良いとの噂ですが、本当に音が良いのでしょうか?騙されないように耳を日頃から鍛えておかないといけませんね。
もしかして、VoLTEは帯域が広いから、逆に帯域の狭いSSTV信号を伝送するには不利になってしまったかもです。
SSTVを使えばインターネット回線が無くても、電話回線で写真も送れますから、災害時には威力を発揮するかな?
衛星携帯電話じゃないと、辛いかもですね。
でも、衛星携帯電話も音が悪そうでダメかも?
2014.9.12
前回の検証ではVoLTEはイマイチと言う事が判明してしまいましたが、最近宣伝が多くなった050Plusについても検証を行ってみました。
いつものように音響的に結合して実験していますので、外部要因によるノイズの混入は覚悟する必要があります。
これは最初の部分はスピーカーとマイクの距離が不適切でノイズが入ってしまった例です。
タブレット端末ではスピーカーフォンになってしまい、イマイチでしたので、こんな風にしてテストしました。
結果はこんな感じで絵が流れてしまいました。時間的なゆらぎがあるようです。
今度は逆に送信側にドイツ製ハンドセットを使ってみました。
受信側はこんな感じです。
結果はこんな風で、やはりダメでした。
片方のタブレット端末は無線LANですが、片方はOCNモバイルONEだったので、これも無線LANにしてみようかなと・・・。
そんな訳で、無線LANのスイッチONです。
これで多少は改善されるかなと・・・。
あれ?改善されませんね。多少はマシになった気もしますが、何の絵か分かりません。
タブレット端末のアプリがお粗末だと思い、Windows版のアプリでテストしました。
送信側は都合により無線LANです。
受信側は有線LANです。
結果はこんな風になりました。コマがずれると言う事は遅延量が変動しているって事ですかね?
結論としては、050Plusはまだまだ音が悪いと言う事になりましたので、今度はISDNの電話機を検証しました。
過去の遺産となってしまったMoppetを使いました。
発信モードを間違ってFOMA対応のビデオフォンモードで発信してしまいました。
映像に帯域を食われているものの、音声でもこれだけの画質で伝送されました。
悲しい事にタダ電話ではないので、お金のかかる実験と言う訳です。
次は間違えずに音声電話モードで伝送しました。さすがに有線回線らしく安定した画像です。
しかし、途中で失敗したので、無駄に料金が発生してしまいました。
つるさんの家にはひかり電話もあるので、元気があればひかり電話も検証してみたいです。
元気があったので、自宅のひかり電話も検証してみました。
こんなデジタルらしいフレッツホンもありましたが・・・。
今回はアナログ電話機をVoIPアダプターに付けてテストしました。
これがVoIPアダプターです。
送信側をISDNの電話機にしました。
ひかり電話で受信しましたが、明らかに悪いですね。
では、送信をひかり電話でやってみました。
そうしたら、もっと悪くなりました。途中で消えてしまうし、全然ダメですね。
スピーカーフォンがいけないのかと、直接こんな風にしてみましたが、受信すら始まりませんでした。
因みにみのホームページにも載せた動画ファイルのSSTV信号もスマートフォンのアプリで解析してみましたが、イマイチでした。
やはりデジタル化されると、劣化してしまうみたいです。
デジタル化が悪いのではなく、圧縮されるのがダメなのだとは思いますけど・・・。
昔、ひかり電話でFAXを送るのは困難だと言われていたのが納得できた気がします。
やはり、安さを求めると、何かを犠牲にしないといけないって事ですね。